三線自動演奏機を作ってみた(前編)
MakerFaire Tokyoに出したやつの製作記を書いておきます。
1.アイデア出し
まず作るのを決めるところから。
以前作った「動物(象、ヤギ、サイなど)のおしっこの出し方を再現する装置」の改良版にしようと思ってたけど、水の扱いとか申請の時点で却下されそうな不安があったので、無難なやつにする事にした。
で、結構いろいろ考えた結果(これについては後編の最後に)、申し込みの直前に三線自動演奏機を作る事に決定。
2.原理検討
作りたいものが決まったので、どのように実現するかを考えた。
そもそも作ろうと思ったきっかけは沖縄の物産品店「わしたショップ」の前にある三線自動演奏機。これを見て、家で眠っている三線を有効活用できるなと思ったのが最初。
↑どうも一年中外にあるみたいだし、常に動いているので耐久性を持たせるため結構がっちりと作られている。
最初は似た作りでもいいかなと思ったけど、真似するのも嫌だし、押さえるところ(勘所)ごとにアクチュエータが必要なので、お金がかかる。一個あたり1000円だとしても1万円である。
また、その分重くなってしまうし、場所も取るので、違う方法を考える事にした。が、あまりいい方法が思いつかなかった。
そんな時、楽器に詳しい先輩に相談すると「全部一緒に押さえればいいんじゃない?」というアイデアを頂いた。
確かに三線は一度に一弦しか弾かないので、同じラインを押さえてしまっても問題なさそうである。
弦を弾く部分も違う原理でやりたかったのと、一つのバチで高速に弾けるか不安だったので、各弦ごとにアクチュエータを用意することにした。
3.アクチュエータ検討
原理が決まったので、実際に使うアクチュエータを検討した。
ソレノイド:応答速度速い、モータと比べて高い
サーボモータ:トルクは出る、ギアの音が気になる
ステッピングモータ:他と比べて安い、静か、制御が面倒
こんな所だったかな。
もしかするとこれらの特徴が逆転している製品もあるかもしれないけど、秋葉原とかネットで簡単に買えそうなやつはこういう傾向だった。
そこで、まずはステッピングモータで検討してみる事にした。失敗したとしても安いのでダメージは小さい。
安価、小型、高トルクだったのは共立エレショップで売られてたやつ。
http://eleshop.jp/shop/g/gCAN362/
これに秋月電子で売られていたArduino用のモータドライバシールドを使う事にした。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-07748/
弾く部分と押さえる部分で、簡単に治具を作って試したところ、なんとか行けそうな感じだったので、必要な分+α購入。
この時点で10月入ったくらい。
4.機構設計
動力が決まったので、機構を考えた。
よく考えたら、最も経験がない&自由度が高い。
どのように三線と固定するか、どういう機構で弦を押さえたり弾くか、どのくらいの大きさ、幅、厚みで作れば良いか。
ここが一番大変だった。
スケッチ→設計→3Dプリンタ出力→失敗→設計修正→ 3Dプリンタ出力→失敗
の繰り返し。
なんとかすべてのパーツを作り終えたときには本番1週間前くらいになっていた。
あっという間じゃないか。
(後編に続く)